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富士山が噴火したら?

カテゴリ: 科学、自然 公開日:2018年08月02日(木)

富士山が噴火したら?

気象庁が「宝永」級の富士山噴火が発生したときに起こる最大降灰量の分布予想図を公表しました。約15年前に同様の試算を実施しましたが、その時は日ごとの気象状況までは考慮しなかったので、都心の降灰を数センチ程度と推定していました。実際の宝永噴火も都心の降灰は数センチだったとされています。しかし、今回は1707年12月に発生した宝永噴火の噴煙の高さや継続時間の推定値と、気象庁が2015~17年に解析した日々の風向きや気圧などの詳細なデータを用いて推計し、1096通りの降灰パターンを導き出しました。さらに、全パターンを重ね合わせた最大降灰量の分布図も作成しました(下記画像)。降灰の範囲は季節で異なり、冬は季節風の影響で東方向に集中し、夏は全方位に降る傾向がわかりました。春や秋に多い富士山から北東方向に風が吹くケースでは、都心に厚く積もるそうです。様々なパターンで数字は異なりますが、少なくとも東京都心部でも10センチ以上積もる可能性のあることがわかりました。火山灰は1ミリ以上で道路が覆われ、5ミリ積もると鉄道が運行できなくなるとされています。鹿児島県の桜島噴火で市内の降灰がたまに見られますが、毎回その除去には大変な苦労をされています。降灰の後に雨が降ると灰が固まって中々除去できませんし、灰の粒子が尖っているので、自動車の車体塗装や窓を傷つけます。場合によってはビルの大きなガラスなども傷めてしまうのです。10センチ以上も積もったら、大都会東京は長期に亘りマヒしてしまうことでしょう。気象庁の発表を踏まえ、政府は今秋までに中央防災会議に有識者検討会を設置し、気象研の推計も参考に富士山の降灰対策に本格的に乗り出すそうです。出来れば富士山にはじっとしていてほしいですね!

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