地球温暖化のはずが最強寒波?
地球温暖化のはずが最強寒波?
今シーズンは東京で23cmの積雪があり、気温も48年ぶりに氷点下4℃を記録しました。東北や北陸地方では長期間大雪や吹雪が猛威を振るっています。しかし、このような現象は日本だけに限らず北半球全体に広がっています。フロリダで積雪があったり、ナイアガラの滝が完全に凍結したり、サハラ砂漠でも雪が降っています。地球温暖化の進行をストップしなければならないと世界で警鐘がなっている現在、どうしてこのような最強寒波が襲ってくるのでしょうか?
大気海洋物理学者の中村氏が語るところによると、地球の気候変動は、二酸化炭素などの大気成分とは関係なく、「全球規模熱塩循環流」という海流の表面温度も相当影響しているそうです。画像にある通り、「全球規模熱塩循環流」とは、熱帯・亜熱帯地域から流れてきた温かい海水が、グリーンランド海やラブラドル海周辺で冷やされて海底に沈み、そこから南下して徐々に沸き上がりながら世界中の海を流れ、最終的に大西洋に戻ってくる循環流のことです。この循環流の熱量の強弱が北半球の温暖化と寒冷化を分けていると中村氏は指摘しています。さらに、グリーンランド海の水面温度が高いときは温暖化し、低いときは寒冷化することを発見しました。温暖化と寒冷化には「大西洋数十年規模振動」と呼ばれる周期があり、30~40年おきに温暖化と寒冷化を繰り返しているそうです。実際、北半球は1940年から70年代まで寒冷化していましたが、80年代からは温暖化しています。この周期から考えると、2015年ころから寒冷化が始まっていると中村氏は推測しています。その裏付けとして、2013年終盤にはグリーンランド海の水面温度が低くなる現象が起きているのです。彼の予測によれば、2050年くらいまで寒冷化が続くことになります。