メディカルリスニングプラグ自主回収!
メディカルリスニングプラグ自主回収!
本ブログで何度も予告していましたが、補聴器業界は米国でFDAが補聴器のOTC販売を認可したことで広がっている
既製品耳あな型が日本にも参入して来て流通に変化が生じています。
従来補聴器専門店や大手のメガネ量販店での販売が主流でしたが、既製品耳あな型が比較的廉価で提供されるようになってから、
通信販売だけでなく大手ディスカウントストアや調剤薬局チェーンでも積極的に販売されるようになりました。
この様な環境下、ブランド録の強いシャープが9月17日よりメディカルリスニングプラグという品名で
99、800円/台の既製品耳あな型補聴器を販売開始しました。
ところが11月18日に製造元である(株)ニューロシューティカルズが既に販売した960台を自主回収すると発表したのです。
理由は本品の筐体部で発見されたわずかなひびということです。
ひびの拡大化を懸念しての早期自主回収はシャープというブランドイメージを守る為に当然のことと思いますが、
(株)ニューロシューティカルズの品質管理体制には疑問を感じます。
同時に判ったことは発売以降40日程で960台販売されたことです。
製品の性能的には現在専門店で販売されいる中級品とそれほどの遜色がないので
99,800円という価格が顧客の興味を引いたことになります。
単純に365日で計算すると8760台になりますが、おそらく評判が評判を生み2万台程度は売れていたはずです。
コロナ禍の影響もありそうですが、補聴器とその価格に対する関心が上がっていることを改めて感じました。
筐体に発生しているひびは場所とひびの程度によりますが、内在するマイクとレシーバの位置を変更する必要があるとすると
筐体の設計変更を含め再販開始まで時間がかかるかもしれません。
最近の既製品耳あな型補聴器は携帯電話を利用した調整がある程度出来るようになりましたので、
操作に精通している人は専門店頼みではなくもっと気軽に購入する市場を形成する可能性があります。
従来から補聴器を販売している専門店や大手のメガネ量販店での補聴器の調整力はレベルが一定ではないようで、携帯経由以上の調整力が
求められることになります。別の言い方をすれば、補聴器の調整に精通していて、使用者の満足度をもっと高めることが出来る販売店は益々業績を伸ばすように思います。