人工内耳について❣
人工内耳について!
難聴の種類で最も多いのは感音難聴です。そして、感音難聴の原因で最も多いのは加齢性難聴であることは既にサイトの中で解説しています。感音性難聴に対処するもので、最も普及している対処方法は補聴器の装用ですが、高度や重度難聴の場合、補聴器で対応ができないレベルも存在します。そのような時に、現在普及が進んでいるのが人工内耳です。
人工内耳が日本で紹介されてから既に10年以上経過していますが、2017年以前は、成人では両耳の聴力が90デジベル以上の「重度難聴」だけが対象でした。しかし、2017年から両耳70デジベル以上90デジベル未満の「高度難聴」で、補聴器をつけた状態で言葉を聞き分けられる最高語音明瞭度が50%以下の人にも対象が拡大され、急速に広まってきています。
人工内耳は音を電気信号に変換して聴神経を刺激し、情報を脳に伝えることで聞こえるようにする装置です。仕組みを簡単に説明すると、
① 側頭部につける体外装置が音声情報を解析して電気信号に変換します。
② 皮下に植え込まれたインプラントに電磁波として送信します。
③ その情報が再度電気信号に変換され、蝸牛に挿入された電極から聴神経を介して脳に伝わります。
④ その結果、脳で音として認識されるというものです。
インプラントを埋め込むために手術が必要です。手術時間は1時間30分程度で、手術後約1週間入院となります。
人工内耳が導入された数年は年間200~300件ぐらいだったらしいですが、現在は、年間約1200件位の手術が行われています。対象は1歳以上の乳児から高齢者まで幅広く、比較的安全な手術だそうです。
昔は健康保険の適用外で高かったのですが、今日は人工内耳に健康保険が適用される様になりました。また、心身障害者(児)医療費助成制度や高額療養費制度などの申請も可能です。自治体によって助成制度を設けていることもあるので、担当している部署に確認してみることをお勧めします。