#ドル・円為替の変遷と今後!
#ドル・円為替の変遷と今後!
2024年4月25日ドルと円の為替レートが1ドル155円を越えた。
画像の通り、最も円高だった2011年10月28日は75円だったから、34年振りに円の評価が半分になったということ。
自分が就職した頃から始まった高度成長時代は加工貿易立国として輸出が奨励され、円安が企業の業績を上げていた。
その後日本だけにいい思いはさせないとのプラザ合意が出来、円高に流れが移行し生産拠点の海外移転が進行していった。
更に巨大人口・市場を抱えた中国が需要・供給共に存在価値を高め、日本は否応なしに中国依存を進めたのである。
国際競争力を得た中国は巨大国家としてまた一党独裁国として傲慢化し、世界経済に悪影響力を与えるようになった。
それに待ったをかけたのがトランプ大統領であった。
彼のアメリカ礼賛主義は世界の分断を起させた問題の政策ではあるが、
関税を中心として中国に釘を刺したという意味では極めて貢献度が高いと思う。
日本の企業は為替の動向を重視して生産も販売も拠点を変える戦術を余儀なくされ、
現在では出来るだけ為替動向に左右されない体制に変わって来ている。
しかし、155円越えの円安を想定して体制を変貌させた企業はほとんどなく、110~130円レベルを想定していたはずで、
ここまで円安が進むと国内主導に戦術変換が進むだろう。
グローバル化が進んだ為、為替と金利が連動して動くので、一ヵ国が自分の思うように出来る金融の世界ではなくなっている。
日銀がどのような金融政策を取り為替に介入するのか不明だが、1000兆円を超える国債の金利という重しがあるので、
円高を推進するための金利上昇を積極的に進めるわけにも行かない。
では円安を放置すれば良いのではとも思うが、自給自足レベルが極端に低い日本は輸入コストが益々膨らみ極端な物価高を生じ、
延いては国民の生活水準を低下させる事になるだろう。
近い将来直面する人口の激減は需要の減少も生む。
既存の供給体制(企業数)が全て残れるはずもないだろう。
だから先ず食の世界にメスを入れ、迅速な自給自足、地産地消の体制を作り上げないといけない。
更に日本の食文化が世界での評価が広がっていることから、食の輸出体制を物流をも含めた総合的仕組に変える必要がある。
技術の分野で現状を見ると加工貿易の流れを受け継いだ緻密・精密な技術は残っている。
特に半導体などの先端技術の世界ではその傾向が顕著であるから円安のメリットを十分活用する仕組みに変えるべきだと思う。
全企業の大半を占める中小企業については数多くの有力技術が埋もれていたり、認知度が低すぎたりすることもあるので、
国が全ての中小企業を把握することから始めたい。
方法としては国に大がかりな財経組織を作り、中小企業の財務・経理業務を受け持つ様にして、
各中小企業の財経に関するコストの軽減化、M&Aの推進、企業自体の活性化などを図るべきであろう。
ドル・円為替レートについては将来どうなるか分らないし、どうあるべきとも言い難い。
しかし日本の状況を考慮すれば円安基調で悪いとは思えないのだが?
(J・O)